がん家系の真偽


【がん家系】という言葉をよく耳にします。
父方ががん家系だから・・・、祖父ががんんで亡くなっているから・・・などです。

がん家系と聞くと、【将来がんになりやすい】というイメージを持つ人が多いと思いますが、実際のところはどうなのでしょうか。

(参考)
http://hoken-kyokasho.com/gankakei

1.遺伝性のがんと認められるのは約1%!
がん学会によりますと、がんが遺伝する確立は部位にもよりますが、平均で1%以下と非常に低い確率なのです。
遺伝性のがんとして有名なのが、網膜芽細胞腫です。
乳幼児に多い病気で出生児の約15,000人~16,000人に1人の割合で発症します。

網膜に腫瘍ができ、視力が低下しますが、早く治療が行われれば生命にかかわることは少なく、治癒させることができます。全国では約9割の患者さんが治療後5年の経過以降も生存しています。

2.遺伝性腫瘍にはどのようなものがあるのか
遺伝性と考えられるがんは平均で約1%とお話しましたが、がんは遺伝と環境の微妙なバランスで発生することがわかってきています。
環境などの影響で説明できるがんもあれば、遺伝の影響がかなり大きいことも知られてきています。
もちろん全てのがんが遺伝するわけではありません。
遺伝するがんにはどのようなものがあるのでしょうか。

主な遺伝性腫瘍の例
・大腸がん
・乳がん・卵巣がん
・骨軟部肉腫
・皮膚がん
・泌尿器がん
・脳腫瘍
・眼のがん
・内分泌系(ホルモンを作る臓器)の腫瘍

遺伝性腫瘍では、多発のがんや超重複がしばしば見られるので、大腸がんの治療を受けながら、婦人科で子宮がんや卵巣がんの検診も受けることもあるそうです。

■遺伝性がんの原因とは
遺伝性腫瘍のほとんどはがん抑制遺伝子の生まれつきの異常(変異)が原因です。
がん抑制遺伝子は、体の細胞ががんになるのを防ぐ(抑制する)働きを持っています。
細胞の1つ1つには、父と母の2つのものが合わせて2個ずつ入っています。
細胞1つの中にある2個の遺伝子を自転車の前輪と後輪に例えて下さい。
通常は2個のブレーキが正常に働く状態で人生がスタートします。
たまたま2つあるうちの1つのブレーキが壊れても、もう1つのブレーキがきちんと機能していれば、その細胞ががんになることはありません。
しかし、残りのブレーキも壊れてしまうと、細胞はがん化します。
遺伝性がんの患者さんの場合、うまれつき体中の細胞のそれぞれが持っている2個のがん抑制遺伝子のうち、片方に変異があります。
1個の細胞が変異している状態で人生をスタートしているので、一般の人よりがんになる可能性が高いのです。

3.がんは生活習慣が原因の可能性の方が大きい?
実際、親や兄弟、親戚にがんになる人が多いというのは確かに存在する気がします。
しかし先ほどもお伝えした通り、遺伝性と考えられるがんは極稀なケースなのです。
がんにかかる人が多い家系は「遺伝性」というものより、その家系の「生活習慣や体質」を共有していることががんリスクの原因を高めている場合が多いということを覚えておきましょう。

遺伝からくるがんは稀なケースです。
そしてがんは予防することができる病気でもあります。がん予防の対策が効果的に実施されれば、がんの発生率と死亡率を下げることができます。
がんの原因の多くは遺伝性のものよりも飲酒や喫煙、食事などの生活習慣からくるものが多いです。

国立がんセンターがん予防・検診研究センターが、2005年6月に発表した、「日本人に推奨できる科学的根拠に基づく予防法」です。
以下の8項目からなっています。

①たばこを吸う人は禁煙。吸わない人も、他人のたばこの煙を可能な限り避ける。
②適度な飲酒。具体的には、日本酒換算で1日1合(ビールで大瓶1本)程度以内。飲まない人は無理に飲まない。
③野菜・果物を少なくとも一日400グラムとるようにする。例えば、野菜は毎食、果物は毎日。
④塩蔵食品・塩分の摂取は最小限。具体的には、食塩として1日10グラム未満、秋穂から練りうになどの高塩分食品は、週に1回以内。
⑤定期的な運動の継続。例えば、ほぼ毎日合計60分程度の歩行などの適度な運動、週に1回程度は汗をかくような激しい運動。
⑥成人期での体重を維持する。(太り過ぎない、痩せ過ぎない)BMIでは20以上27以下を推奨しています。
⑦熱い飲食物は最小限。例えば、熱い飲料はさましてから飲む。
⑧肝炎ウイルス感染の有無を知り、その治療(感染者)や予防(未感染者)の措置をとる。

上記より、がんにつながる遺伝子の変化は後天的なものですので、遺伝性の【がん】はかなりレアなケースとのことです。
がんは生まれてから何十年もの間にさまざまな要因を積み重ねっていた結果、遺伝子が傷つくことで引き起こされる病気です。


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